● Darwinian Nightmareダーウインの悪夢
渋谷のシネマライズで、昨年末に、娘と鑑賞(日比谷で他の映画みようとしたが満員ではいれず、ここに流れてきた)
Hubert Sauper監督
タンザニアのビクトリア湖半のムラ?が舞台。
そこに数十年前、ナイルパーチというかなり大きな白身の魚が放流された。それが、他の魚をくいちらし、それだけになる。おかげで、バイオダイバシティは失われるが、大量にとり、工場で加工し、欧州に輸出することが可能になる。
それで地元の人も雇用されて、経済的にはややうるおう。工場主は、白人(欧州?南ア?)
この魚製品を欧州に運ぶのが、ロシア人のパイロットたち。
実際は、この飛行場が、ビクトリアぞいのアフリカの国々に武器を運ぶ拠点。
魚をはこんだ帰りに武器。
アフリカの子供のクリスマスは、武器。欧州の子供にはぶどう。
エイズで毎月10人は死ぬ。そしておんな(残された妻)たちは売春
また、パイロット相手に一回10ドルの売春の女も
そこに、水不足の飢饉が襲うと、国連からの食料援助。でも、それも、このシステムの一部。
黒人の宣教師は、コンドームはすすめないという。それがキリスト教の教えに反するから。
環境問題、戦争、南北問題、経済的自立、多国籍、宗教、エイズなど、人類の問題が集積。
それが、アフリカという人類誕生、人類進化の起点でおきているという皮肉。
娘と二人でみたがかなりインパクト。
しかも、登場人物は、すべてそこでクラス人々。だれも女優も男優もいない。
英語だが、みなノンネイティブ。それだけでもメッセージ。
インタビュアーがときおりでるが、この人のみ英語ネイティブ。
むすめは、これみて、ニートなんていえないよね、と。
みな、職を得ることに必死。
パイロットにしたいとタンザニア人の親がいう。
戦争ものぞんでいるという。それで潤うから。殺すのもあたりまえ。
他方で、ロシア人のパイロット、が、幸福をすべての子供に、という。
日本にもこの魚製品は輸出されているという。他人事ではない。
この映画のポイントではないが、僕は、妙なところに関心した。それは、これだけのストーリーを、ほとんどネイティブをつかわずに、英語と映像でくみたてるのが秀逸。
娘と話したが、この程度の英語力なら、日本の学校でも、語学力的には、この映画ができてもおかしくないよねと。習うより慣れろで、英語で、渋谷のなまなましいドキュメンタリーつくったら面白いだろう。渋谷は世界のある意味で先端であり、世界の最善であり最悪だ。
そして何より、この軽薄な街(僕はそれが大好き)渋谷で、こんなシリアスな映画館が満員というのが、東京のレベルの高さであり救いだろう。
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なるほどです
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